航空券オンライン予約売り上げナンバーワンのエアトリについて徹底解説

エアトリは、航空券オンライン予約売上No.1の会社です。
エアトリは様々な航空会社の航空券を一括比較してくれる飛行機比較予約サイトになります。
JALやANAなど大手航空会社はもちろんですが、国内のほぼ全ての格安航空であるLCCを網羅しており、希望に合った航空券を見つけることが可能です。
人気お笑い芸人のロバート秋山さんをイメージキャラクターに登用したテレビCMを見たことがある方は多いのではないでしょうか?
テレビCMを始めプロモーションに力を入れていることもあり、エアトリについて知ってらっしゃる方も多いと思います。
しかし、「エアトリ」という名前を聞いたことがあっても現在の株価動向や業務内容について詳しくは知らない方は多いのではないでしょうか?
そこで、今回は、航空券オンライン予約売上No.1のエアトリについて説明します。かなり詳しく説明しますので企業研究や株価予想の参考にしていただければ幸いです。

1. 会社概要

株式会社エアトリは、オンラインによる旅行事業を行う事業(OTA: Online Travel Agent)として2007年に創業されました。

航空券販売を当初から手がけており現在でも航空券が一番強いですが、事業の多角化を図っています。
現在ではホテル〜アクティビティまで取扱っており、旅行の総合予約プラットフォームという位置付けの企業です。
また国内がメインでしたが、今では海外の航空券も豊富に取り揃えるようになりました。

それでは、エアトリの沿革についてみていきましょう。

沿革

2007年:株式会社旅キャピタルを設立

2008年:東京都知事登録旅行業第3-5991号で第三種旅行業務登録、日本旅行業協会に正会員として入会

2009年:第一種旅行業務登録

2011年:「TRIP STAR」のサービス開始

2013年:社名を株式会社エボラブルアジアに変更

2016年:東京証券取引所マザーズ市場に上場

2017年:東京証券取引所第一部に市場変更

2020年:社名を株式会社エアトリに変更

2. 事業の特徴

エアトリの事業の特徴についてセグメント別に紹介していきます。

オンライン旅行事業

1. エアトリ旅行事業

創業当時からオンラインに特化した旅行会社として、顧客へ便利なサービスを提供してきました。
3つの強みである「仕入れ力」「多様な販路」「システム開発力」を主軸として、以下のサービスを展開しています。


①BtoCサービス(自社直営)分野

エアトリは、業界最大規模の国内航空券取扱と各航空会社、東日本旅客鉄道との提携などで、強い競争力を実現しています。

国内・海外旅行コンテンツを簡単に比較・予約出来るサイト「エアトリ」を運営しており、サイトの使いやすさに一層こだわり顧客に最適な旅の選択肢を届けることを目的としています。


②BtoBtoCサービス(旅行コンテンツ OEM提供)分野

国内航空券・旅行、海外航空券・ホテル商材を、他社媒体様へ旅行コンテンツとして提供しています。コンテンツのラインナップを増やし、媒体ユーザー様の顧客満足度向上の一助となっています。


③ビジネストラベルマネジメント(BTM)

「エアトリBTM」において、日常業務の出張に関するチケット手配、効率的な管理業務システムを展開しており、出張のニーズがある企業へ無料でシステムを提供しています。
直接コスト+間接コスト削減を実現しています。


2. 訪日旅行事業

エアトリ旅行事業で蓄積したノウハウを、いち早く訪日外国人向けサービス及び民泊運営企業向けサービスとして展開しています。


①訪日旅行客向けWi-Fiレンタル

エアトリの子会社である株式会社インバウンドプラットフォームにおいて、訪日旅行客向けのWi-Fiルーターレンタルサービスを展開。
レンタル実績は200,000件を超え、長年の信頼と口コミでブランドを確立しています。
キャンピングカーのレンタルと併せ、インバウンド需要に対するサービス拡大を図流のが目標です。


②訪日旅行客向けダイナミックパッケージ

増加する東南アジア発の個人訪日旅行客に向け、各国言語への対応を強化し、まずはタイ語での日本国内ホテル・旅館情報を整備し、株式会社ジャルパックが販売する「日本初となる訪日外国人向けのダイナミックパッケージ」に国内ホテル・旅館のコンテンツを提供しています。
他国方面において訪日旅行の販売促進環境を整えるのを目的としています。


③民泊ホスト向けワンストップサービス

現在日本において年々増加傾向にある空き家を有効活用するため、住宅宿泊事業法に則ったお部屋の運用を「株式会社エアトリステイ」が提案しています。
増加する訪日外国人のうち、5人に1人が利用している「Airbnb」と日本初の公式パートナーとなり、物件の登録から物件運用までをワンストップでサポートしており、今後は更なるサービス の拡張を予定しています。


3. メディア事業

「伝えたいことを、知りたい人に」の理念とする当社子会社である株式会社まぐまぐと連携し、世界中からクリエイターなどのコンテンツを集め、その情報に価値を感じる人の手元に届ける仕組みを開発・提供しています。
無料・有料メールマガジン配信サービスの「まぐまぐ!」をはじめ、記事単位で購読できる「mine」。
また、コンテンツを発掘し、数多くの知りたい人に届けることができるWEBメディア「MAG2 NEWS」「MONEY VOICE」「TRiP EDiTOR」「by them」の運営を行なっています。


4. ヘルスケア事業

検査医療機関と顧客を繋ぎ、PCR検査等の各種検査についてスムーズな実施体制を構築しウィズコロナに対応した医療サービスを提供しています。
「旅行・出張」×「医療」の分野においても包括的な取組を行い、お客様の状況に合わせた検査方法が可能です。
ヘルスケア事業におけるPCR検査等の需要の取り込みに成功しています。

ITオフショア開発事業

ITオフショア開発事業では、ベトナムのホーチミン、ハノイ及びダナンにて、主にEコマース・Webソリューション・ゲーム・システム開発会社等を顧客として、ラボ型開発サービスを提供しています。
エアトリのラボ型開発サービスは、顧客ごとに専属のスタッフを都度新規採用してチームを組成しており、顧客が随時ラボの開発状況を確認することが可能なスタイルとなっています。

投資事業

投資事業では、成長企業への投資を通じて投資先企業との協業等によるシナジーを追求し、収益性と成長性を軸としたグループ内の事業ポートフォリオを構築して、M&A戦略を推進しています。
当連結会計年度においては、投資先を66社まで拡大しています。

3. 会社規模

時価総額:945億円(2021年10月1日現在)
純資産総額:25億3800万円(2020年9月末)
資本金:31億3800万円(2020年9月末)
従業員:1191人(2021年3月末)

4. 業績

通期予想は売上収益を減額も営業利益は増額】
21/9期通期の連結業績見通しについて会社側は、3Q累計決算を発表した8月13日には変更しませんでしたが、9月6日に修正。
5月31日に修正した見通しと比較し、売上収益は15億円減額の175億円(前期比17.6%減)、営業利益は14億円増額の40億円(前期は90億円の損失)を見込みます。
ナショナル流通産業の全株式の譲渡や、ハイブリッドテクノロジーおよびピカパカの一部株式の譲渡に伴い、これらの会社が連結子会社から外れる影響で売上収益を減額。
一方、事業ポートフォリオの分散や再構築が順調に進んでいることを勘案し、営業利益は引き上げました。

それでは、2017年からのエアトリの決算状況についてみていきましょう。

単位:百万円
決算期 売上高 営業益 経常益 最終益 修正1株益 1株配
2017.09 5,534 730 695 420 25.1 7
2018.09 12,426 1,142 1,128 844 48.5 10
2019.09 24,306 676 585 731 39 10
I2020.09 21,241 -8,994 -9,190 -8,692 -433.8 10
I2021.09 17,500 4,000 3,950 2,405 111.1
前期比 -17.6 黒転 黒転 黒転 黒転

いかがでしょうか?おおむね順調に業績を伸ばしていることがわかります。
今後、コロナが治まって来ればさらなる業績の進捗を期待できるかもしれませんね。

5. 財務分析

株式投資や企業研究を行う上で財務分析は非常に重要です。
いくら成長が期待できる企業でも財務基盤が安定していなければ、安定的な経営はできないからです。
財務基盤は企業にとって非常に重要なものになりますのでしっかり確認するようにしましょう。
財務分析を行う方法は様々ですが、一般的には「成長性」「収益性」「安全性」の3つの側面を見るべきだといわれています。
それではエアトリの財務基盤を「成長性」「収益性」「安全性」から見てみましょう。

(1) 成長性

成長性は一般的には増収率 (売上がどれくらいのびているかを示す指標)で判断されます。
年20%以上の増収率を達成していればかなり優秀であるといわれています。
エアトリの2020年の売上高は212億4100円に対し2021年の予想売上高は175億円となっており、減収になりました。
しかし、2018年の売上高は、121億円だったことを考えると、そんなに悪くない数字と言えます。
むしろコロナ禍の中、検討しているといっても良い数字ではないでしょうか?

(2) 収益性

コアコンセプト・テクノロジーの最終利益は2020年が86億9200円の赤字、2021年が24億円の黒字です。
株式譲渡などの特殊要因があるのでなんともいえませんが黒字転換したことに変わりはありません。

(3) 安全性

安全性は自己資本比率が高いと良いとされていますが、33%以上の自己資本比率があると安定性は高いといわれています。
エアトリの自己資本比率は9.0%(2020年9月時点)ですがその前の期は約31%でした。
また有利子負債は110億2700万円です。積極的に投資をしている結果ですし、コロナが終われば大きな反転が期待できますので現段階では大きな問題ではないでしょう。

6. 旅行株が年初来高値

9月24日、日経平均株価が前日比609円 (2%) 高と急反発した株式市場で、旅行関連株の年初来高値更新が相次ぎました。
国内旅行需要の大きいエアトリやリゾートトラストなどの上昇が目立ちます。
中国恒大問題への懸念が後退しただけでなく、新型コロナウイルス禍で停滞した経済活動の再開への期待も相場上昇をけん引しました。
新型コロナの緊急事態宣言の解除や、観光需要喚起策「Go Toトラベル」の再開への期待から、旅行関連株が再び上昇しています。
国内旅行のチケット販売やツアーなどを手掛けるエアトリの株は24日、一時、前日比255円(8%)高の3580円を付け、年初来高値を更新。8月末比の上昇率は20%にのぼります。
大手証券のアナリストは「経済再開期待による上昇はこれまでもあったが、今回はワクチン接種の進展や接種証明書の活用という裏付けがあり、今までとは確度が違う」とみています。
その後も、エアトリの株価は順調に上昇しており上場来高値の4480円をつけました。

7. 今後の業績予想

エアトリの今後の業績はコロナ次第ではありますが、仮にコロナウィルスが鎮圧しなくてもウィズコロナに舵を切り始めているのでエアトリの業績はどちらにしても大きく上昇するのではないでしょうか?
ここ1ヵ月の株価チャートを見てもものすごい勢いで日当の株価は上昇しています。
投資を検討しているのであれば早いタイミングが良いでしょう。

8. まとめ

今回は航空券オンライン予約ナンバーワンのエアトリについて説明しました。 1あたりの株価はここ1ヵ月大きく上昇しています。また今後の業績も期待できるでしょう。

ぜひ今回の記事を参考にしていただきエアトリへの投資を検討してみてはいかがでしょうか。