SNSの先駆け的な会社!グリーってどんな会社?株価は今後どうなるの?

グリー株式会社(以下、グリー)は、SNSのGREEを運営している会社でSNSのさきがけのような会社です。

ケータイゲームなどが爆発的なヒットをし、今ではインターネット企業の大手の会社で、グリーが作成した代表的なゲームには、世界初のモバイルソーシャルゲーム「釣り★スタ」や「探検ドリランド」などがあります。
皆さんの中には一度はグリーのゲームをプレイした方も多いのではないでしょうか?
またグリーは東京証券取引所一部に上場されている会社でもあります。
東京証券取引所一部に上場されているだけあって多くの方がグリーについて一度は聞いたことがあるとは思いますが、意外とグリーについて詳しく知っていらっしゃる方は少ないのではないでしょうか?

そこで今回は、グリーについて説明します。かなり詳しく説明しますので、株式投資や企業研究の参考にしていただければ幸いです。

1. 会社概要

グリーは、代表取締役社長の田中良和氏が個人的に始めたサイトが爆発的なヒットをし、個人での運営が難しくなったことから会社化したことが始まりです。

現在、当たり前にあるSNSを日本で先駆けて始めたのもこのグリーになります。そして、モバイルソーシャルゲームをリリース、こちらも大ヒットして、東京証券取引所一部に上場するまでの企業になりました。
それではグリーの沿革で見ていきましょう。


<グリーの沿革>

2004年:東京都港区白金にGREEの運営を目的としたグリー株式会社を設立

2006年:KDDIと資本業務提携を締結

2007年:初のモバイルソーシャルゲーム「釣り★スタ」をリリース

2008年:東京証券取引所マザーズ市場上場

2010年:東京証券取引所1部市場変更。スマートフォン向けGREEをリリース

2012年:ヤフー株式会社と包括的業務提携を締結

2013年:株式会社サイバーエージェントとの合弁会社、株式会社グリフォンを設立

2016年:IT業界で初めて株主総会の「スマート招集」を導入

2. 事業の特徴

グリーは、ゲーム、ライブエンターテインメント、広告・メディアなどの事業を営んでいます。

主力とするゲーム領域においては、ブラウザゲームのコイン消費は減少していますが、既存のスマートフォン向けアプリゲームの長期運営体制による収益安定化及び海外展開による収益力向上に取り組むと同時に、新規アプリゲームの開発を進めています。

ライブエンターテインメント領域においては、バーチャルライブ配信アプリ「REALITY」の機能強化やコンテンツ拡充を進め、また、広告・メディア領域においては、メディア力の強化とユーザー基盤の拡大を進めているようです。

新型コロナウイルスの影響は、広告・メディア領域において一部のメディアで影響を受けましたが、ゲーム領域及びライブエンターテインメント領域への影響は限定的でした。

3. 会社規模

時価総額:2160億円(2021年10月15日現在)
純資産総額:1202億(2021年6月末)
資本金:1億円(2021年6月末)
従業員数:1,543人(2021年6月末)

4. 業績

【ライブ配信アプリへ積極投資】
新規ゲームの動向などにより業績が大きく変動するため合理的な予想の算定が困難として、2022年6月期通期の連結業績計画を公表していません。ゲーム事業では引き続き海外展開を進めるとともに、新規ゲームを年間2~3本リリースし収益拡大を図ります。

また、バーチャルライブ配信アプリ 「REALITY」を、アバター (インターネット上の分身)を通じてユーザー同士が交流するメタバース(仮想世界)事業と位置づけ直し投資を積極化。
広告宣伝や開発体制の強化などに今期20~30億円、 今後2~3年間で100億円を投じ、国内にとどまらず米国など海外でのユーザー獲得を目指します。
なお、2022年6月期1Qは新規ゲームの開発費や「REALITY」の広告宣伝費が先行し数億円の営業赤字となる見通しです。
ではグリーのここ数年の決算について見ていきましょう。

単位:百万円
決算期 売上高 営業益 経常益 最終益 修正1株益 1株配
連 2018.06 77,925 9,421 10,317 4,708 20 14
連 2019.06 70,936 5,476 5,725 3,485 14.8 10
連 2020.06 62,665 3,162 4,219 2,709 11.8 10
連 2021.06 56,766 5,378 11,098 13,533 61.4 12.5
連 予 2022.06

2021年の連結決算はとびぬけて利益が高いですが、グリーの出資ファンドが保有株式を売却したことによる投資事業組合運用益54億円を計上したことが大きな要因です。
また繰延税金資産の回収可能性を検討した結果、法人税等が減少しました。

以上の取り組みにより、2021年6月期の業績は、売上高567億6600万円(前連結会計年度比9.4%減)、営業利益53億7800万円(同70.1%増)、経常利益110億9800万円(同163.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益135億3300万円(同399.5%増)となりました。
2021年は特殊要因がありましたがその他の年を見てもグリーは安定的な利益を計上しているのがわかりますね。

5. 財務分析

株式投資や企業研究を行う上で財務分析は非常に重要です。
いくら成長が期待できる企業でも財務基盤が安定していなければ、安定的な経営はできないからです。
財務基盤は企業にとって非常に重要なものになりますのでしっかり確認するようにしましょう。
財務分析を行う方法は様々ですが、一般的には「成長性」「収益性」「安全性」の3つの側面を見るべきだといわれています。
それではグリーの財務基盤を「成長性」「収益性」「安全性」から見てみましょう。

(1) 成長性

成長性は一般的には増収率 (売上がどれくらいのびているかを示す指標)で判断されます。
年20%以上の増収率を達成していればかなり優秀であるといわれています。
グリーの2020年6月期の売上高は626億円に対し2021年の予想売上高は567億円となっており、減収になってしました。
増収を続けることに越したことはありませんが、先ほどの決算内容を見てもグリーの売上高は非常に安定しています。
グリーは、成熟企業ともいえるのでこの程度の減益であれば大きな問題ではないでしょう。

(2) 収益性

グリーの2021年の当期純利益135億3300万円(同399.5%増)となりました。
大きく増益になっていますが、先ほど説明した通り特殊要因があったので今回の決算内容は大きな参考にはならないでしょう。
しかし、ここ数年の決算を見ていただくと分かる通り、グリーの利益は非常に安定しています。

(3) 安全性

安全性は自己資本比率が高いと良いとされていますが、33%以上の自己資本比率があると安定性は高いといわれています。
グリーの自己資本比率84,64%(2021年6月時点)です。非常に高い比率ですね。
また有利子負債は約80億円です。前年度までは有利子負債はありませんでしたので何かの投資に回すのかもしれませんね。
どちらにしても純資産対比まったく問題ない水準です。

6. トピック:グリーが自社株買い 350億円、過去最大 株式の17%相当

グリーは9月30日、過去最大の自社株買いを実施すると発表しました。 現在の保有分を除いた発行済み株式数の16.8%にあたる3500万株を上限に実施します。取得額は最大350億円。取得期間は10月1日から2022年9月22日まで。

グリーは自己資本利益率(ROE)を継続的に10%以上(21年6月期は11.6%)とする目標を掲げており、株主還元の強化に加えて資本効率を改善させる狙い。
20年9月にも発行済み株式数(自己株式を除く)の8.9%を上限とする自社株買いを発表、今年9月下旬に取得を完了していました。

21年6月期の連結純利益は前の期の5倍の135億円。ゲームの巣ごもり需要などが追い風となりました。
22年6月期は「新規アプリゲームなどで大きな業績変動が見込まれる」 と予想は非開示です。
足元で巣ごもり需要が一服しつつある中、 最大規模の自社株買いで、 業績が下振れした場合でもROEを安定させる狙いがありそうです。

7. 今後の業績予想

グリーの今後の業績予想は、巣篭もり需要に大きく左右されるでしょう。
しかし、携帯ゲームの需要が急に落ち込むのは考えづらく、グリーの業績は今後も安定していくと予想できます。
自社株買いによって株価は上昇しているところではありますが、今後も大きく業績が下がるのは考えづらいため、今からでもじゅうぶん投資妙味はあるといえるでしょう。

8. まとめ

今回は、SNSの先駆け的な会社であるグリーについて紹介しました。2000年代学生だった方を中心にグリーを使った方は非常に多いでしょう。

株価については、上場時から見ると大きく下げてはいますが、グリーの業績自体は非常に安定しています。
積極的に自社株買い行っているなど投資家目線の会社でもあるため、今後大きく株価が上昇していくのは充分考えられます。
ぜひ今回の記事を参考に、グリーという会社についての理解を深めていただければ幸いです。