2年間で株価は6倍!レーザーテックってどんな会社?
レーザーテックは精密機器メーカーです。主にレーザー顕微鏡、半導体製造装置、リチウムイオン電池用のスキャン装置を開発しています。
工場やメーカーに製品を販売するため、BtoB(企業対企業)取引が特徴です。
東証一部に上場している企業で、神奈川に本社を置く会社の中でNO1の平均年収を取ったこともある優良企業になります。
しかし、従業員数は
500人前後とそこまで規模は大きくないため、レーザーテックについて知らない方も多いでしょう。
そこで今回は、レーザーテックについて説明します。わかりやすく説明しますので是非参考にしてください。
1. 会社概要
まずは、レーザーテックの沿革を見ていきましょう。
1960年:電機メーカー出身の創業者・内山康が設立した「有限会社東京ITV研究所」を源流とする。
1962年:レーザーテックの前身となる「日本自動制御株式会社」を設立。
1985年:世界で初となる「走査型カラーレーザー顕微鏡」を開発。高解像度カラー観察および3次元測定を実現し、大きな反響を得た。
1986年:中核技術の一つであるレーザーを前面に押し出した現社名に商号変更した。
1990年:日本証券業協会に株式を店頭登録。
2012年:東京証券取引所市場第二部に株式を上場。
2013年:東京証券取引所市場第一部上場。
2017年:マスクブランクス検査装置の販売を開始した。
2019年:世界で初めて、第5世代通信規格(5G)のスマートフォン向けなど微細化の競争が激しい半導体の製造過程に必要不可欠となる、回路焼き付けに使うマスクを極端紫外線露光技術で検査する新型装置を完成させた。
2020年3月、インテルが優れた供給者に贈る「サプライヤーアチーブメントアワード(2019年度)」を受賞した。
2. 事業内容
レーザーテックの主要セグメントである半導体業界では、高まる米中摩擦による地政学リスクや半導体不足が懸念され、各国において技術力の強化やサプライチェーンの見直しを目的とした政策と半導体デバイスメーカー各社による投資計画の上方修正が発表されました。
足元では引き続き5Gのスマートフォンをはじめとする通信機器のほか、リモートワークやオンライン会議などの拡がりによるPC並びにデータセンター向けの最先端半導体に対する需要が拡大しました。
このような市場環境のもと、ロジック・メモリデバイスメーカーは最先端のEUV(極端紫外線)リソグラフィを用いた半導体製造工程の導入を加速させており、今後の半導体関連装置市場は更なる拡大が見込まれております。
このような状況下、レーザーテックグループの連結売上高は702億48百万円(前連結会計年度比65.0%増)となりました。
品目別に見ますと、半導体関連装置が584億1百万円(前連結会計年度比69.9%増)、その他が36億38百万円(前連結会計年度比69.1%増)、サービスが82億8百万円(前連結会計年度比35.7%増)となりました。
連結損益につきましては、営業利益が260億74百万円(前連結会計年度比73.1%増)、経常利益が264億38百万円(前連結会計年度比74.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が192 億50百万円(前連結会計年度比 77.9%増)となりました。
3. 会社規模
時価総額:2兆4962億円(2022年1月20日時点)
純資産総額:551億円(2021年6月末日時点)
資本金:9億3100万円(2021年6月末時点)
従業員数:529人(2021 年6月時点)
4. 業績
【1Qの低進捗率は検収のタイミングによるもの】
22/6期通期の連結会社計画は、売上高830億円(前期比18%増)、営業利益270億円(同4%増)。期初計画を変更していません。
1Qの売上高の進捗率は11%ですが、会社側は検収のタイミングによるもので、概ね予定通りの進捗だとしています。
会社側ではEUV関連製品を中心とした半導体関連装置が成長を牽引するとみています。積極的な研究開発を行いながらも増益を見込みます。
品目別売上高の計画値は、半導体関連装置が685億円(同17%増)、その他が30.0億円(同
18%減)、サービスが115億円(同 40%増)。
では、レーザーテックのここ数年間の業績はどのようになっているのでしょうか?
決算期 | 売上高 | 営業益 | 経常益 | 最終益 | 修正1株益 | 1株配 |
---|---|---|---|---|---|---|
2018.06 | 21,252 | 5,685 | 5,706 | 4,366 | 48.4 | 34 |
2019.06 | 28,769 | 7,941 | 7,834 | 5,933 | 65.8 | 47 |
2020.06 | 42,572 | 15,062 | 15,115 | 10,823 | 120 | 58 |
2021.06 | 70,248 | 26,074 | 26,438 | 19,250 | 213.5 | 75 |
予 2022.06 | 83,000 | 27,000 | 27,000 | 21,000 | 232.9 | 82 |
このようにかなり高いレベルで増収増益を続けていることがわかります。今後の業績にも期待できそうです。
5. 財務分析
株式投資や企業研究を行う上で財務分析は非常に重要です。
いくら成長が期待できる企業でも財務基盤が安定していなければ、安定的な経営はできないからです。
財務基盤は企業にとって非常に重要なものになりますのでしっかり確認するようにしましょう。
財務分析を行う方法は様々ですが、一般的には「成長性」「収益性」「安全性」の3つの側面を見るべきだといわれています。
それではレーザーテックの財務基盤を「成長性」「収益性」「安全性」から見てみましょう。
(1) 成長性
成長性は一般的には増収率 (売上がどれくらいのびているかを示す指標)で判断されます。
年20%以上の増収率を達成していればかなり優秀であるといわれています。
レーザーテックの2021年の売上高は702億円に対し2022年の予想売上高は830億円と118%の増益です。ここ数年、大きく売上高を伸ばしているので今後も期待できそうです。
(2) 収益性
レーザーテックの最終利益は2021年が192億円、2022年の予想利益は210億円です。順調に増益を続けています。
(3) 安全性
安全性は自己資本比率が高いと良いとされています。安全性が高いとされている目安は33%です。レーザーテックの自己資本比率は、45.5%です。安全性もかなり高い会社だとわかります。
6. トピック:さえないレーザーテック株、個人の苦心映す 相場底入れ期待はまだ
1月17日午前の東京株式市場で日経平均株価は反発しました。前週末14日の米半導体株高を手掛かりにした東京エレクトロン(8035)
やアドバンテスト (6857) の上昇が相場の押し上げ役となりました。
半面、同じ半導体関連株でもレーザーテック (6920) は年明け以降、さえない動きが目立っています。
そこにはレーザーテック株を「売らざるを得ない」個人投資家の苦心が反映されているようです。
前週末の米株式市場では主要な半導体関連株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が前日比2.3%高となりました。週明けの東京市場でも東京エレクトロンやアドテストの買いが入りました。
一方、 レーザーテックは今年に入ってからほぼ一本調子で下げ、14、17日と節目の3万円を下回る場面もあります。
米連邦準備理事会(FRB)による金融政策の正常化前倒し観測から高PER(株価収益率)銘柄を売る流れが続きます。
レーザーテックの予想PERは100倍を超えており、東京エレクトロン(25倍程度)やアドテスト(26倍程度)と比べても高いです。
そのため相対的に売られやすいという背景があります。
それだけではありません。市場では「懐具合の厳しい個人投資家は利益を確定できる銘柄についてポジションを減らしているようだ」とある証券会社の部長は語っていました。
最近は東証マザーズ市場からの資金流出が顕著で、マザーズ指数は急落。 17日前引け時点でも14日に付けた昨年来安値を下回っています。
レーザーテックは半導体関連のなかでも高い技術力を武器にした成長期待が高く、長きにわたって上昇基調を維持してきたスター銘柄です。4日付けた上場来高値(3万6090円)まで1年で株価はおよそ3倍、この2年では6倍以上になりました。
個人にも人気の銘柄として知られます。保有する新興市場の銘柄が下げ止まらないなか、損失を穴埋めするために泣く泣くレーザーテクの持ち高を減らさなければならない投資家も少なからずいるでしょう。
もちろんレーザーテックそのものの成長期待は崩れていません。下値では買いが入り、上昇に転じる場面もみられました。
ただ、マザーズ指数については「中長期の下落トレンドに入ったとみられる」(国内証券ストラテジスト)との声もあり、先安観が根強いです。「たとえ1日や2日持ち直しても、底入れと判断するのは早い」と慎重な見方もあります。
冷え込んだ個人投資家の懐が温まらないかぎり、株式相場の本格的な回復は期待しにくいでしょう。
7. 今後の業績予想
レーザーテックの株価は2022年1月現在、大きく下落しています。しかし、レーザーテックの持っている技術力は非常に高く、今後も安定した利益が期待できます。 業績に投資家の目が移れば大きく反k発する可能性は十分にあるでしょう。株価が下落している今こそ、投資のチャンスかもしれません。
8. まとめ
今回は、レーザーテックについて説明しました。レーザーテックの株価は最近、大きく下落しているので、不安に思っている方もいるかもしれません。
しかし、高い技術力や安定した経営地盤などを考えると今後株価が反発する可能性は十分です。今のタイミングで購入してみてはいかがでしょうか?