自転車・釣具の会社!シマノについて徹底解説!
株式会社シマノは、主に自転車の部品の製造や、釣り道具の製造を行なっている会社になります。自転車や釣りが好きな方は、シマノについてよく知っているのではないでしょうか?
また、シマノは東京証券取引所一部に上場している企業なので、株式投資に詳しい方にもおなじみかもしれません。
しかし、シマノについて詳しく知らない方も多いでしょう。そこで今回は、シマノについて説明します。かなり詳しく説明しますので、株式投資や企業研究の参考にしていただければ幸いです。
1. 会社概要
まずはシマノの沿革を紹介します。
<沿革>
1921年 :初代島野庄三郎が大阪府堺市にて堺セルロイド工場の跡地を借り島野鐵工所を創業。焼き入れ技術が劣りベアリングの品質が悪かった国産フリーホイールを、技術の改善と輸入ベアリングを用いて品質向上させ、製造を開始。
1940年:株式会社島野鉄工所となる。
1951年:商号を島野工業株式会社に変更。
1965年:アメリカ合衆国に事務所を構えた。
1970年:釣具事業部発足。島野山口株式会社(現・下関工場)完成。
1972年:大阪証券取引所2部上場。西ドイツ・デュッセルドルフにて「シマノヨーロッパ」を設立。
1973年:東京証券取引所・大阪証券取引所1部上場。シンガポールに初の海外工場を設立。
1991年:商号を株式会社シマノに改称。
1997年:スノーボード用品を扱うアクションスポーツ事業部発足。
1999年:ゴルフ事業部発足。
2005年:ゴルフ用品事業から撤退。
2009年:3月末でスノーボード用品事業から撤退。ヨネックスに事業譲渡。
2. 事業内容
シマノの事業セグメントは、「自転車部品」「釣具」「その他」に分類されます。
自転車部品
新型コロナウイルス感染拡大を契機とした世界的なサイクリングブームにより、中高級クラスの需要は高い水準を維持した一方で、下期には落ち着きを見せる市場も出始めました。
欧州市場においては、環境意識の高まりを受けた各国政府による自転車推奨政策の後押しもあり、継続して自転車および自転車関連商品の需要は高く、完成車の市場在庫は、改善の兆しが見られたものの低い水準を推移しました。
北米市場においては、引き続き自転車の需要は高かったものの、エントリークラスを中心に市場在庫は適正な水準へと移り始めました。
アジア・中南米市場においては、当期後半にはサイクリングブームは沈静化の兆しを見せ、主力であるエントリークラスの市場在庫は適正水準となりました。
日本市場においては、需要の高い新製品のハイエンドロードバイクやエントリークラスのロードバイクの在庫不足はあったものの、軽快車の店頭販売が停滞し、市場在庫は適正水準より若干高めで推移しました。
このような市況の下、生産増強をさらに進め、新製品であるロードバイク高級モデル2機種「DURA-ACE」と「ULTEGRA」および電動アシストスポーツバイクコンポーネントSHIMANO
STEPSシリーズをはじめ、幅広い製品に対して非常に多くの注文が入りました。
結果、当セグメントの売上高は443,678百万円(前年同期比49.0%増)、営業利益は125,146百万円(前年同期比82.7%増)となりました。
釣具
人の密集を避けることのできるアクティビティとして、釣りは幅広いユーザー層に受け入れられ、釣具市場は盛況となり、世界中で高い需要を維持しました。
日本市場においては、釣りブームに一服感が見られたものの、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着きを見せ始め、消費者の購買意欲も上向き、天候にも恵まれたため、販売はソルトルアー関連商品を中心に順調に推移しました。
海外市場においては、北米市場では、安定した天候や盛況な市場に後押しされ高い需要が継続し、販売は好調に推移しました。
欧州市場では、一部の地域では需要は落ち着きを見せ始めたものの、ワクチンの普及やオンライン販売の進展もあり、販売は好調を維持しました。
アジア市場では、新型コロナウイルスの影響が小さかった中国市場を中心に、高価格帯製品に対する強い需要から販売は好調を維持しました。
豪州市場では、ロックダウンが実施された地域があったものの、力強い需要に支えられ販売は順調に推移しました。
このような市況の下、スピニングリール「BB-X TECHNIUM」、「ULTEGRA」、「TWIN POWER
SW」、ベイトリール「ANTARES DC」、「SLX MGL」やカープ向けロッドTribal
TXシリーズ等について、市場から高い評価を得ました。
この結果、当セグメントの売上高は102,388百万円(前年同期比28.1%増)、営業利益は23,120百万円(前年同期比62.1%増)となりました。
その他
当セグメントの売上高は447百万円(前年同期比25.7%増)、営業利益は20百万円(前年同期は営業損失57百万円)となりました。
3. 会社規模
時価総額:2兆7385億円(2022年2月10日時点)
純資産総額:6166億円(2021年12月時点)
資本金:356億円(2021年12月時点)
従業員数:12244人(2022年2月10日時点)
4. 業績
シマノは2月8日大引け後に決算を発表。21年12月期の連結経常利益は前の期比87.3%増の1525億円に拡大し、22年12月期も前期比6.0%増の1617億円に伸びを見込み、2期連続で過去最高益を更新する見通しとなりました。6期連続増収、3期連続増益になります。
直近3ヵ月の実績である10-12月期(4Q)の連結経常利益は前年同期比70.4%増の388億円に拡大し、売上営業利益率は前年同期の24.9%→27.3%に上昇しました。
このように絶好調のシマノですが、過去の業績も見ていきましょう。
決算期 | 売上高 | 営業益 | 経常益 | 最終益 | 修正1株益 | 1株配 |
---|---|---|---|---|---|---|
2018.12 | 348,035 | 65,687 | 73,588 | 53,931 | 581.8 | 155 |
2019.12 | 363,230 | 68,010 | 69,471 | 51,833 | 559.1 | 155 |
2020.12 | 378,040 | 82,701 | 81,471 | 63,472 | 684.7 | 355 |
2021.12 | 546,515 | 148,287 | 152,562 | 115,937 | 1,252.60 | 235 |
2022.12 | 580,000 | 161,000 | 161,700 | 117,500 | 1,277.60 | 235 |
いかがでしょうか?コロナの需要をうまく取り込み、ここ2年間の業績は非常に良いです。今後もこの傾向は続きそうなのでより期待できるでしょう。
5. 財務分析
株式投資や企業研究を行う上で財務分析は非常に重要です。
いくら成長が期待できる企業でも財務基盤が安定していなければ、安定的な経営はできないからです。
財務基盤は企業にとって非常に重要なものになりますのでしっかり確認するようにしましょう。
財務分析を行う方法は様々ですが、一般的には「成長性」「収益性」「安全性」の3つの側面を見るべきだといわれています。
それではシマノの財務基盤を「成長性」「収益性」「安全性」から見てみましょう。
(1) 成長性
成長性は一般的には増収率 (売上がどれくらいのびているかを示す指標)で判断されます。
年20%以上の増収率を達成していればかなり優秀であるといわれています。
シマノの2021年の売上高は5465億円に対し2022年の予想売上高は5800億円と106%の増益です。2019年の売上高が3780億円なので大きく売上高を伸ばしているのがわかりますね。
(2) 収益性
シマノの最終利益は2021年が1159億円、2022年のは1175億円です。2019年は634億円なのでこちらも大きく伸ばしています。
(3) 安全性
安全性は自己資本比率が高いと良いとされています。安全性が高いとされている目安は33%です。シマノの自己資本比率は、87.3%です。安全性もかなり高い会社だとわかります。
6. トピック:過去最高益実施
シマノは2月8日、2022年12月期の連結純利益が前期比1%増の1175億円と過去最高を更新する見通しだと発表しました。
新型コロナウイルス禍の中、感染リスクの低い屋外レジャーとして自転車や釣りの世界的な人気が続き、変速機など自転車部品や釣り具の需要は堅調に推移すると予想。売上高も6%増の5800億円と過去最高となり、3期連続の増収増益を見込みます。
事業別では自転車部品の売上高は7%増の4750億円を見込んでいます。欧米での高級自転車向け、東南アジアなど新興国を中心とする普及価格帯の自転車向け双方で同社製部品への引き合いが高水準で推移しているといいます。
釣り具の売上高は2%増の1045億円を見込んでおり、島野泰三社長によると、欧米など海外を中心に「新たに釣りを始める人の伸びは一服したが、釣り具市場の活況は続いている」といいます。
同日発表した21年12月期の連結決算によると、売上高は前の期比45%増の5465億円、純利益は83%増の1159億円でした。欧米を中心としたコロナ禍での高級自転車ブームを背景に大幅な増収増益となりました。
7. 今後の業績予想
シマノ株価は絶好調です。売上、利益とも堅調で、今後もコロナで一変した生活様式が戻るとは考えづらくさらなる需要が見込めるでしょう。 ここ5年で見てもシマノの株価はかなり高いですが、まだまだ成長する見込みはあると考えます。
8. まとめ
今回はシマノについて説明しました。
一般的な知名度はあまり高くないかもしれませんが、時価総額2兆円を超える大企業です。業績も堅調で今後さらなる上昇が期待できます。ぜひ今回の記事を参考にシマノへの投資を検討してみてはいかがでしょうか?