日本のインターネット通販のガリバー!楽天グループの今後について徹底解説!

この記事を読んでいる方の多くは楽天グループのサービスを一度は使ったことがあるのではないでしょうか? 楽天市場をはじめ楽天は楽天証券や楽天トラベル、楽天カードなど様々なサービスを展開しています。
IT黎明期から日本のIT業界を支えてきたガリバーでもあり、会長の三木谷氏はメディアに露出することも多いので、楽天について聞いたことがない方はほとんどいないでしょう。 しかし、楽天の詳しい業務内容や決算状況について知っている方は意外と少ないのではないでしょうか?
そこで今回は、楽天グループについてかなり詳しく説明します。株式投資や企業研究の役に立てていただければ幸いです。

1. 会社概要

まずは楽天グループの沿革を見ていきましょう。


<沿革>

1997年:株式会社エム・ディー・エム設立。

1997年: 楽天市場を開設。

1999年:楽天株式会社に商号変更。

1999年:インターネットオークション事業「楽天フリマ」を開設。

2000年:株式をJASDAQに公開。

2004年:株式会社あおぞらカード(現:楽天カード株式会社)を買収、完全子会社化。

2004年:日本プロフェッショナル野球組織(NPB)への加盟を申請。

2004年:ゴルフ場予約サービス「GORA」「Golf Port」「楽天ゴルフ」を統合し、「楽天GORA」開始

2004年:NPBの承認を得て、プロ野球への参入が決定。

2006年:FCバルセロナとのマーケティング・パートナーシップ契約を締結。

2006年:楽天証券の単独株式移転により中間持株会社の楽天証券ホールディングスが設立。

2010年:イーバンク銀行の完全子会社化と「楽天銀行」への商号変更を発表。

2010年: 三木谷社長が、社内の公用語を英語にするという国際戦略構想を発表。2012年7月から実施した。

2011年:旧:楽天KC(現:Jトラストカード)が会社分割され、楽天のクレジットカード事業を楽天クレジット株式会社が吸収し、楽天カード株式会社へと社名変更した。

2019年:グループ内再編を実施。Rakuten Direct株式会社を吸収合併。 楽天を分割会社とする会社分割によりMVNO事業、楽天コミュニケーションズ株式会社の株式等を楽天モバイル株式会社へ承継。 楽天カード株式会社、楽天Edy株式会社の株式を除くフィンテック事業子会社の株式等を楽天カード株式会社へ承継。 決済関連事業(楽天ペイ(アプリ・実店舗決済)事業、ポイントパートナー事業、Edy事業等)及び楽天Edy株式会社の株式を株式会社スポットライト(同日付で楽天ペイメント株式会社に商号変更)へ承継。 楽天カード株式会社を分割会社とする会社分割によりみんなのビットコイン株式会社の株式を株式会社スポットライトに承継。

2021年4月1日:楽天グループ株式会社に商号変更。

2. 事業内容

楽天グループの事業内容は3つに分類されます。それぞれの事業内容について見ていきましょう。

インターネットサービス

主力サービスである国内ECにおいては、流通総額及び売上収益の更なる成長を目指し、ロイヤルカスタマーの醸成や新規顧客の獲得のための販促活動、クロスユースの促進、共通の送料無料(込み)ラインの導入促進に加え、楽天エコシステムのオープン化戦略等に注力しています。

インターネット・ショッピングモール『楽天市場』や医療品・日用品等の通信販売等を行う『Rakuten 24』などにおいては、こうした施策の結果、コロナ禍における「巣ごもり消費」の拡大に伴うオンラインショッピング需要の高まりを背景に増加した顧客の定着が進み、取扱高はコロナ禍における業績の押し上げの影響を受けた前連結会計年度と比較しても伸長しました。

インターネット旅行予約サービス『楽天トラベル』においては、新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴う「Go To トラベル事業」の一時停止の継続の影響を受け、取扱高が減少したものの、当連結会計年度における国内EC流通総額は5兆円を超えました。
海外インターネットサービスを含むその他イターネットサービスにおいては、継続的なコスト効率化の施策や人々の消費行動の回復に伴うコロナ禍で影響を受けた事業の業績が改善しました。

また、当社における物流事業に関して有する権利義務については、一部を除いて、日本郵便株式会社との合弁会社であるJP楽天ロジスティクス株式会社への承継が完了しており、同社は、第3四半期連結会計期間より、当社の持分法適用関連会社となりました。
これに伴い、第2四半期連結会計期間までインターネットサービスセグメントで計上されていた物流事業の損益の一部が、第3四半期連結会計期間より持分法による投資損益として計上されています。

フィンテック

クレジットカード関連サービスにおいては、2枚目『楽天カード』のマーケティングが奏功し、2021年12月には、同カード発行枚数が2,500万枚を突破する等、顧客基盤の拡大が継続しています。 同サービスにおいては、宿泊・飲食サービス等の消費動向に依然厳しさがみられるものの、オンラインショッピングを中心に取扱高が伸長し、当連結会計年度におけるショッピング取扱高は14兆円を超えました。

銀行サービスにおいては、新規口座数の増加が続いており、2022年1月には、預金口座数が1,200万口座を突破し、役務取引等収益等の増加が売上収益及び利益の増加に貢献しました。 同様に、証券サービスにおいても、新規口座開設の加速が続き、2021年12月に証券総合口座数が700万口座を突破しました。 また、国内外株式売買代金の伸長に伴う手数料収入等の増加により、売上収益及び利益が増加しました。 この結果、フィンテックセグメントにおける売上

モバイル

モバイルにおいては、計画の前倒しによる自社基地局の整備に注力することでネットワーク品質の向上に努めたほか、通信料金を1年間無料とするキャンペーン期間終了後も、新規顧客獲得が順調に進捗しました。
同キャンペーン期間の終了に伴い、通信料金の支払を開始したユーザーが増えたほか、端末販売の増加も売上収益の増加に貢献しました。
他方で、減価償却費等のネットワーク関連費用も増加しました。

3. 会社規模

時価総額:1兆5140億円(2022年2月24日時点)
純資産総額:1兆6310億円(2021年12月時点)
資本金:2896億円(2021年12月時点)
従業員数:20,053人(2021年12月時点)

4. 業績

【2Q以降はローミング費用の低減見込む】
楽天グループは今期の連結業績予想を開示していません。ただ、証券サービスを除いた売上 収益は前期比で2桁増収を目指しています。インターネットサービス事業は新規顧客開拓や送料無料の導入促進、データ活用などにより流通総額の拡大に取り組みます。

フィンテック事業はマーケティング強化でクレジットカードサービスの取扱高拡大を図っています。モバイル事業は契約数の増加、既存契約者の無料キャンペーン期間が順次終了し通信収入の増加を見込みます。基地局展開で引き続き減価償却費などの営業費用負担は重いがその効果で2Q以降はローミング費用(他社回線使用費用) の低減を想定しています。

現在の楽天グループの業績は、携帯事業が大きく足を引っ張っている状況です。しかし、先行投資をようやく回収する時期に来ているので今後は期待感があります。では過去の楽天グループの業績もみておきましょう。

単位:百万円
決算期 売上高 営業益 経常益 最終益 修正1株益 1株配
2018.12 1,101,480 170,425 165,423 142,282 105.4 4.5
2019.12 1,263,932 72,745 -44,558 -31,888 -23.6 4.5
2020.12 1,455,538 -93,849 -151,016 -114,199 -84 4.5
2021.12 1,681,757 -194,726 -212,630 -133,828 -87.6 4.5
2022.12

ここ三期は赤字決算が続いていますが、理由は楽天モバイルです。楽天モバイルの初期投資に多額の費用がかかっているためになります。ようやく果実を回収する時期に来ましたので来期以降の決算が楽しみです。

5. 財務分析

株式投資や企業研究を行う上で財務分析は非常に重要です。
いくら成長が期待できる企業でも財務基盤が安定していなければ、安定的な経営はできないからです。
財務基盤は企業にとって非常に重要なものになりますのでしっかり確認するようにしましょう。
財務分析を行う方法は様々ですが、一般的には「成長性」「収益性」「安全性」の3つの側面を見るべきだといわれています。
それでは楽天グループの財務基盤を「成長性」「収益性」「安全性」から見てみましょう。

(1) 成長性

成長性は一般的には増収率 (売上がどれくらいのびているかを示す指標)で判断されます。
年20%以上の増収率を達成していればかなり優秀であるといわれています。
楽天市場の2020年の売上高は1兆4555億円に対し2021年の売上高は1兆6817億円と115%の増益です。大きく売上高を伸ばしているのがわかりますね。

(2) 収益性

最終損失は2020年が1141億円、2021年は1338億円の赤字です。巨額の赤字を計上していますが楽天モバイルの先行投資の影響なので特に問題ないでしょう。

(3) 安全性

安全性は自己資本比率が高いと良いとされています。安全性が高いとされている目安は33%です。楽天グループの自己資本比率は、6.5%です。自己資本比率は決して高くないですが、経営を揺るがすようなことはないので問題ないでしょう。

6. トピック:過去最悪の赤字!

楽天グループが2月14日発表した2021年12月期(前期)の連結決算(国際会計基準)は、最終損益が1338億円の赤字(前の期は1141億円の赤字)でした。携帯事業における自社基地局設置の先行投資がかさみ、前の期から赤字幅が拡大した格好です。 売上高にあたる売上収益は前の期比16%増の1兆6817億円、営業損益は1947億円の赤字 (前年同期は938億円の赤字)でした。

モバイルセグメントは新規顧客の獲得などで売上収益が32%増の2275億円となった半面、 セグメント損益は4211億円の赤字(前の期は2272億円の赤字) と赤字が拡大しました。
一方、国内電子商取引(EC)を含むインターネットサービスのセグメント損益は、株式売却に伴う特別益の計上もあって2.7倍の1075億円の黒字でした。銀行やカードなどのフィンテック部門の損益も、10%増の891億円の黒字。22年12月期(今期)の連結業績予想は、株式市況の影響を大きく受ける証券サービスを除いた連結売上収益について、21年12月期より2桁の成長率を目指すとしました。
モバイル部門の赤字は今後、縮小される見込みなのでいよいよ大きな果実を得る時期に来たのかもしれません。

7. 今後の業績予想

楽天グループの業績は今後、大きく飛躍すると私は考えます。モバイルの先行投資が終わりいよいよ大きな果実を得る時期に来ました。 現在は赤字ですが今のうちに楽天グループの株を買ってみてはいかがでしょうか?

8. まとめ

今回は楽天グループについてまとめました。楽天グループのサービスを使っている方は多いでしょう。また、日本有数のインターネット企業でもあります。現在は大きな赤字を出していますが私はまったく問題ないと考えます。
ぜひ今回の記事を参考に楽天グループへの投資を検討していただけると幸いです。