INPEXってどんな会社?INPEXについて徹底解説!

INPEXは、日本最大の石油・天然ガス開発企業です。 INPEXは石油や天然ガスの探鉱・開発・生産という上流事業を中核とした会社として発展してきました。国際石油開発と帝国石油が合併して2006年に誕生した会社です。
2022年に入り、ウクライナ情勢の悪化から、現在(2022年3月)、原油などの資源価格は歴史的に高い水準になっています。
日本最大の石油・天然ガス会社であるINPEXに今、かつてないほどの注目が集まっているのです。そこで今回は、INPEXについて説明します。 かなり詳しく説明しますので、是非、銘柄研究や企業研究の役に立てていただければ幸いです。

1. 会社概要

まずは、INPEXの沿革を見ていきましょう。


<沿革>

2005年:国際石油開発と帝国石油が経営統合を発表。

2006年:両社の株式移転により、国際石油開発帝石ホールディングス株式会社設立。

2008年: 国際石油開発帝石株式会社に社名変更し、国際石油開発と帝国石油を合併。

2012年:豪州イクシスLNGプロジェクトの最終投資決定を発表。

2013年:直江津LNG基地(新潟県上越市)の竣工を発表。

2016年:富山ライン(天然ガスパイプライン)建設工事の竣工式開催を発表。

2021年:株式会社INPEXに社名変更。

2. 事業内容

INPEXの主な事業内容は石油・天然ガス開発事業です。
2021年1月1日~2021年12月31日における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け先行きが不透明な状況が続きましたが、各国の経済対策及びワクチン接種の進展等により、持ち直しの動きが見られました。

INPEXの業績に大きな影響を及ぼす国際原油価格は、代表的指標の一つであるブレント原油(期近物終値ベース)で当期は1バレル当たり51.09米ドルから始まりました。OPEC+の段階的減産規模縮小や新型コロナウイルス変異種の感染拡大による原油需給の緩みが重荷となったものの、世界的な天然ガス価格高騰による発電向け代替燃料としての石油需要の高まりや、経済活動正常化の加速化等から上昇基調で推移し、年度末では77.78米ドルとなりました。
これらを反映して、当期におけるINPEXの原油の平均販売価格は、前期に比べ、1バレル当たり28.12米ドル上昇し、68.43米ドルとなりました。

一方、業績に重要な影響を与えるもう一つの要因である為替相場ですが、当期は1米ドル103円台で始まりました。年前半は、新型コロナウイルスワクチン接種拡大による世界経済正常化に対する期待の高まりや、FOMCで早期の利上げ期待を背景とした米金利上昇を受けて、110円台まで円安が進みました。

年後半は、9月のFOMCで再び米国の早期利上げが示され、米国の利上げペース加速の観測が強まったことを背景に115円台まで上昇しましたが、オミクロン型への警戒感から投資家のリスク回避姿勢が強まり、112円台まで値を下げました。期末にかけては落ち着きを取り戻し、期末公示仲値(TTM)は前期末から11円50銭円安の115円02銭となりました。なお、INPEXの売上の期中平均レートは、前期に比べ、3円26銭円安の1米ドル110円11銭となりました。
それでは各地域の業績について見ていきましょう。

日本

ガス販売数量の増加により、売上高は前期比142億円、12.3%増の1,300億円となりましたが、売上原価の増加により、営業利益は前期比28億円、20.1%減の114億円となりました。

アジア・オセアニア

油価・ガス価の上昇により、売上高は前期比1,339億円、60.6%増の3,549億円となり、営業利益は前期比1,190億円、210.6%増の1,755億円となりました。

ユーラシア(欧州・NIS諸国)

油価の上昇により、売上高は前期比485億円、71.1%増の1,169億円となり、営業利益は前期比264億円、589.8%増の309億円となりました。

中東・アフリカ

油価の上昇により、売上高は前期比2,657億円、75.4%増の6,181億円となり、営業利益は前期比1,896億円、 101.7%増の3,760億円となりました。

米州

油価の上昇により、売上高は前期比107億円、79.8%増の242億円となり、前期の営業損失21億円に対し、当期は102億円の営業利益となりました。

3. 会社規模

時価総額:1兆8636億円(2022年3月4日時点)
純資産総額:3兆3464億円(2021年12月時点)
資本金:2908億円(2021年12月時点)
従業員数:3,189人(2021年12月時点)

4. 業績

【23.8%増収、21.2%営業増益】
22/12期の連結業績予想は、売上高1兆5410億円(前期比23.8%増)、営業利益7160億円(同21.2%増)、経常利益8240億円(同25.3%増)、純利益2500億円(同 12.1%増)。

為替レートの想定は1米ドル=110円。売上高については、油価高や生産量増の影響等により通期で増収の見込みとなっており、営業利益についても探鉱費の増加があるものの、前期 比で増益となる見込みです。

経常利益については、持分法投資利益増等により前期比で増益となる見込みであり、純利益についても、増益に伴う税負担の増加等があるものの、 前期比で増益となる見込みです。

このようにかなり好調なINPEXの決算ですが過去の業績についても見ておきましょう。

単位:百万円
決算期 売上高 営業益 経常益 最終益 修正1株益 1株配
2019.03 971,388 474,281 519,278 96,106 65.8 24
2019.12 1,000,005 498,641 511,088 123,550 84.6 30
2020.12 771,046 248,471 257,335 -111,699 -76.5 24
2021.12 1,244,369 590,657 657,627 223,048 153.9 48
2022.12 1,541,000 716,000 824,000 250,000 180.3 54

このようにかなり好調なことがわかります。今後も資源高が続きそうなのでさらなる好業績が期待できるかもしれません。

5. 財務分析

株式投資や企業研究を行う上で財務分析は非常に重要です。
いくら成長が期待できる企業でも財務基盤が安定していなければ、安定的な経営はできないからです。
財務基盤は企業にとって非常に重要なものになりますのでしっかり確認するようにしましょう。
財務分析を行う方法は様々ですが、一般的には「成長性」「収益性」「安全性」の3つの側面を見るべきだといわれています。
それではINPEXの財務基盤を「成長性」「収益性」「安全性」から見てみましょう。

(1) 成長性

成長性は一般的には増収率 (売上がどれくらいのびているかを示す指標)で判断されます。
年20%以上の増収率を達成していればかなり優秀であるといわれています。
INPEXの2021年の売上高は1兆2443億円に対し2022年の予想売上高は1兆5410億円と123%の増益です。大きく売上高を伸ばしているのがわかりますね。

(2) 収益性

最終利益は2021年が2230億円、2022年の予想は2500億円の黒字です。こちらも20%を超える増益です。

(3) 安全性

安全性は自己資本比率が高いと良いとされています。安全性が高いとされている目安は33%です。INPEXの自己資本比率は、60.6%です。盤石の財務基盤といって良いでしょう。

6. トピック:CO2 貯留、世界最大級~INPEXが豪で1000億円投資~

INPEXは二酸化炭素(CO2)を回収して地下に貯留する事業に乗り出します。海外企業と組 み、オーストラリアの天然ガス開発事業に2026年にも最大1000億円を投じ、最大700万トン強と世界最大級のCO2を回収・貯留します。

貯留技術の普及で低炭素化すれば、ガス田などの開発を進めやすくなる可能性があります。将来は日本などで排出されたCO2を受け入れて貯留することも検討するようです。もしこの事業に成功すると莫大な利益を会社にもたらすため、全世界で注目されています。

7. 今後の業績見通し

INPEXの業績は今後、大きく飛躍すると私は考えます。なぜなら、資源価格はさらに上昇する可能性があるからです。日本最大の石油・天然ガス開発会社であるINPEXの業績はさらなる進捗が期待できるでしょう。

8. まとめ

今回はINPEXについてまとめました。INPEXの株価は現在急ピッチで戻しています。今後さらに戻す可能性が強いと私は思います。ぜひ今回の記事を参考にまだまだ割安水準であるINPEXの株を購入してみてはいかがでしょうか。