フィンテックの代表的な企業!マネーフォワードってどんな会社?
株式会社マネーフォワード は、個人向け・法人向けに金融系のウェブサービスを提供している日本の会社です。
皆さんの中にもマネーフォワードの家計簿などのアプリを使っている方も多いのではないでしょうか?
マネーフォワードは2012年に設立された新しい会社ですが、東証プライムに上場している日本を代表する会社になります。
しかし、マネーフォワードについて聞いたことがある方は多くても、マネーフォワードについて詳しく知らない方も多いでしょう。そこで今回は、マネーフォワードについて詳しく説明します。かなり詳しく説明しますので、銘柄選定や企業研究の参考にしていただければ幸いです。
1. 会社概要
まずはマネーフォワードの会社概要についてみていきましょう。
<沿革>
2012年:東京都新宿区高田馬場においてマネーブック株式会社設立。その後、 株式会社マネーフォワードに商号変更。
2013年:『マネーフォワード クラウド会計・確定申告』リリース
2014年:東京都港区三田に本社移転
2015年:金融機関利用者向け『マネーフォワード』(マネーフォワードfor◯◯)リリース
2016年:『マネーフォワード クラウド経費』リリース
2017年:『マネーフォワード クラウドファイナンス』に商品掲載開始。東京証券取引所マザーズ市場へ上場。
2018年:100%子会社として、Money Forward Vietnam Co., Ltd.(現・連結子会社)を設立
2019年:『マネーフォワード クラウド勤怠』リリース
2021年:東京証券取引所1部へ市場変更
2. 事業内容
マネーフォワードが提供するサービス領域は、昨今においてFintech市場と呼ばれており、矢野経済研究所「2019FinTech市場の実態と展望」によると、国内Fintech市場規模は2017年度の1503億円から2022年度には1兆2102億円に達すると見込まれています。
主要サービスである『マネーフォワード
クラウド』は、近年急速な成長が見込まれるとして世界的にも注目を集めている、SaaSという形態にてサービスを提供しています。
マネーフォワードは「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というミッションの下、法人向 けサービスを提供するMoney Forward Businessドメイン、個人向けサービスを提供するMoney Forward Homeドメイン、金融機関・事業会社のお客様向けにサービス開発を行うMoney Forward Xドメイン、新たな金融ソリューションの開発を行うMoney Forward Financeドメインの4つのドメインにおいて、事業を運営を行っています。
Businessドメイン
バックオフィス向けの業務効率化クラウドソリューション『マネーフォワード
クラウド』において、新たに5つの新規サービスをリリースし、主に中堅企業向けのサービスラインナップの強化に努めています。
引き続き対面での商談機会は制限されいますが、SEO対策の強化やウェビナー等のオンラインでの顧客獲得施策を実施した結果、新規ユーザーが順調に増加し、売上は順調に推移。
また、当第4四半期連結会計期間より、個人事業主・法人向けの事業用プリペイドカード『マネーフォワード
ビジネスカード』の提供を開始し、事業に関する支払いのキャッシュレス化を実現するとともに、『マネーフォワード
クラウド』との連携により、リアルタイムでデータを取得し、会計業務の効率化を実現してます。
加えて、『BOXIL』におけるリード件数の増加や、オンライン展示会『BOXIL
EXPO』の開催等により、スマートキャンプ社の売上も好調に推移。
Homeドメイン
自動でオンラインバンキング等から金融機関データの取得・仕訳を行うPFMサービス『マネーフォワード ME』において、プレミアム課金ユーザーが36万人を突破し、プレミアム課金売上が順調に推移。
メディア/広告売上に関しては、新型コロナウイルス感染症の影響でオフラインイベントは制限されたものの、イベントやセミナーのオンライン化等の対応を行いました。
また、ファイナンシャルプランナーに家計や資産形成の相談ができる『マネーフォワード
お金の相談』や電気料金をはじめとする固定費の切り替えができる『マネーフォワード
固定費の見直し』等の金融関連サービスの収益が増加しています。
Xドメイン
金融機関やそのお客様のDX化推進に資する便利なサービスの開発に努めており、新たなサービス提供先が増加。
Financeドメイン
企業間請求・決済代行サービス『マネーフォワード ケッサイ』及び売掛金早期資金化サービス『マネーフォワード アーリーペイメント』において、引き続き審査体制を強化して運営をしていますが、新規顧客の獲得などにより、売上は回復基調にあります。
また、株式会社三菱UFJ銀行との合弁会社である株式会社Biz
Forwardを通じて、中小企業向けのオンラインファクタリング事業及び請求・決済代行事業の提供を翌連結会計年度より開始する予定です。
また、期初時点の計画通り、将来を見据え、いずれのドメインにおいても広告宣伝・人材採用等の先行投資を実行しました。
3. 会社規模
時価総額:3128億円(2022年4月13日時点)
資本金:257億円(2021年11月時点)
純資産総額:423億円(2021年11月時点)
従業員:1248人(2021年11月時点)
4. 業績
【1Qは広告宣伝費の積極投下で大幅営業赤字見通し】
発表した22/11期通期の連結業績計画は売上高が前期比30%増の203億円〜同40%増の219億円。「MFクラウド」など法人向けクラウド業務ソフトの利用拡大や、21年12
月にM&A(合併・買収)で取得したチャットボット(自動応答システム)を展開するHITTO社の貢献などによりBusinessドメインが引き続き牽引する見通し。
一方、営業損益見通しは非開示。開発・営業人員の増強や広告宣伝などの費用投下を機動的に行うため予測が困難としています。
ただし、前21/11期の海外公募増資で315億円調達出来たことなどを踏まえ、Businessドメインを中心に投資を加速する方針を示しています。また、開示された1Qの営業損益見通しも29億円の赤字〜24億円の赤字。
同期間は顧客獲得効率が最も高まることからBusinessドメインを中心に17億円~19億円の広告宣伝費を投じ、大幅営業赤字となる見通し。
このようにかなり積極的に投資をしているのがわかります。今後に大きな期待が持てそうですね。 ではマネーフォワードの過去の決算も見ておきましょう。
決算期 | 売上高 | 営業益 | 経常益 | 最終益 | 修正1株益 | 1株配 |
---|---|---|---|---|---|---|
連 2018.11 | 4,594 | -796 | -824 | -815 | -21.2 | 0 |
連 2019.11 | 7,156 | -2,446 | -2,567 | -2,572 | -59 | 0 |
連 2020.11 | 11,318 | -2,804 | -2,538 | -2,423 | -52.1 | 0 |
連 2021.11 | 15,632 | -1,062 | -1,432 | -1,482 | -30 | 0 |
連 予 2022.11 | 21,104 | - | - | - | - | 0 |
赤字が続いていますが、積極的に投資をしている結果なので今後の成長が楽しみです。
5. 財務分析
株式投資や企業研究を行う上で財務分析は非常に重要です。
いくら成長が期待できる企業でも財務基盤が安定していなければ、安定的な経営はできないからです。
財務基盤は企業にとって非常に重要なものになりますのでしっかり確認するようにしましょう。
財務分析を行う方法は様々ですが、一般的には「成長性」「収益性」「安全性」の3つの側面を見るべきだといわれています。
それではマネーフォワードの財務基盤を「成長性」「収益性」「安全性」から見てみましょう。
(1) 成長性
成長性は一般的には増収率 (売上がどれくらいのびているかを示す指標)で判断されます。
年20%以上の増収率を達成していればかなり優秀であるといわれています。
マネーフォワードの2020年の売上高は113億円に対し2021年の予想売上高は156億円と増収です。過去の決算を見ていただくとお分かりのように毎年増収となっています。
(2) 収益性
最終利益は2020年が25億円の赤字、2021年は14億の赤字です。積極的に投資を行っている段階なので今後が楽しみです。
(3) 安全性
安全性は自己資本比率が高いと良いとされています。安全性が高いとされている目安は33%です。マネーフォワードの自己資本比率は、71.1%です。安全性もまったく問題ありません。
6. トピック:マネフォ、保険代理店を子会社化 サービス提案力を向上
マネーフォワード(3994)は13日、複数の保険会社から商品販売を受託する乗合保険代理店「ネクストソリューション」の株式をすべて取得し、子会社化すると発表。
取得価額は非公表。マネフォは「2022年11月期 (今期)の業績への影響は軽徴」
と説明しています。両社の連携を強化し、サービス提案力の向上につなげる狙い。
マネフォが同日に発表した21年12月~22年2月期の連結決算は、売上高が前年同期比37%増の47億円、営業損益が16億円の赤字(前年同期は8000万円の黒字)、最終損益が16億円の赤字(前年同期は6400万円の黒字)
でした。
新規ユーザー数が大幅に増加しましたが、ウェブマーケティングの強化など広告宣伝費の上昇などが響いた格好です。
7. 今後の業績見通し
マネーフォワードの株価チャートははかなり乱高下をしていますが、積極的に先行投資をしていることもあり今後大きく伸びる可能性は十分にあります。
現在、下落局面でもあり逆に投資をするチャンスであるといえるのではないでしょうか。
8. まとめ
今回はマネーフォワードについて説明をしました。
マネーフォワードが提供するフィンテックサービスは今後大きく成長が見込まれる分野です。
今でも黒字を確保することができるはずですが、マネーフォワードは大きな果実を得るために現在積極的に投資をしている段階になります。
株価は乱高下しており、なかなか買いにくいと思ってらっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、中長期で考えれば大きな利益を狙える銘柄です。
ぜひ今回の記事を参考にしていただきマネーフォワードへの投資を検討してみてはいかがでしょうか