世界一の自動車部品メーカー!デンソーってどんな会社?
デンソーは自動車部品を中心に製造しているメーカーで、売り上げ規模は世界1位です
1949年に日本電装株式会社として創業以来、トヨタ自動車を中心に自動車用電装部品を拡販し、現在では世界の主要なカーメーカーに広く製品を供給しています。
従業員数は16万人を超えており、日本を代表する大企業です。この記事を読んでいる方の多くはデンソーについて聞いたことがあるでしょう。
しかし、デンソーを知っていても、デンソーについて細かく知っている方は少ないのではないでしょうか?
そこで今回は、日本を代表する自動車部品メーカーであるデンソーについて詳しく説明します。かなり詳しく説明しますので、銘柄研究や企業研究の参考にしていただければ幸いです。
1.会社概要
デンソーの沿革についてまずは説明します。
沿革
1949年:トヨタ自動車の赤字部門であった「電装部」が分離独立、「日本電装株式会社」として設立。独立時の累積赤字は1億4000万円、独立により極度の業績悪化、社員の30%に対し人員整理を行う。
1951年:株式上場。
1953年:ドイツのボッシュと電装品に関する技術提携を締結。
1954年:技能養成所を開設。
1971年:ロサンゼルスに初の海外販売会社を設立。
1972年:タイ、オーストラリアに初の海外生産会社を設立。
1994年:デンソー基本理念を制定。
1996年:商号を「株式会社デンソー」に変更。
2002年:国内全事業所でゼロ・エミッション達成。
2004年:長期経営指針「DENSO VISION 2015」を策定。
2016年:デンソーエコビジョン2025を策定。
2017年:ブランドスローガン「Crafting the Core」を策定。
2. 事業内容
セグメント別の業績について、いずれの地域も直近の車両減産の影響があるものの、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復に伴い、前年比では全地域で増収となりました。
営業利益については、外部環境の悪化等があるものの、上期の操業度良化に加え、体質変革活動の効果刈り取りがグローバルで進んだ結果、北米、欧州を除き増益となりました。
日本は、トヨタ自動車株式会社向けを中心とする販売の増加等があり、売上収益は、3兆5,151億円(前年度比3,381億円増、10.6%増)と増収、営業利益は、1,889億円(前年度比1,663億円増、735.6%増)と増益になりました。
北米地域は、売上収益は、1兆1,602億円(前年度比1,340億円増、13.1%増)と増収、営業利益は、外部環境の影響を大きく受け43億円(前年度比104億円減、70.9%減)と減益になりました。
欧州地域の売上収益は、5,614億円(前年度比417億円増、8.0%増)と増収、営業損失は、構造改革費用の計上により34億円(前年度は31億円の営業利益)と減益になりました。
アジア地域は中国以外の地域における新型コロナウイルス感染症からの回復等により、売上収益は、1兆6,379億円(前年度比3,341億円増、25.6%増)と増収、営業利益は、1,438億円(前年度比324億円増、29.1%増)と増益になりました。
その他地域は、売上収益は、766億円(前年度比比362億円増、89.6%増)と増収、営業利益は155億円(前年度比85億円増、121.1%増)と増益になりました。
3. 会社規模
時価総額:5兆8433億円(2022年5月13日現在)
純資産総額:4兆4895億円(2022年3月時点)
資本金:1874億円(2022年3月時点)
従業員数:169498人(2021年9月時点)
4. 業績
【15.1%増収、64.1%営業増益)
23/3期の連結業績予想は、売上高にあたる売上収益6兆3500億円(前期比15.1%増)、営業利益5600億円(同64.1%増)、経常利益6030億円(同56.7%増)、純利益4340億円(同64.5%増)。
為替レートの想定は1米ドル=115円、1ユーロ=130円。当期の業績については、電動化先進安全分野の好調な売上収益と、採算改善の積み増し、変動対応力の更なる強化や、経営基盤強化の取り組みにより、売上収益は6兆3,500億円(前年度比8,345億円増、15.1%増)、営業利益は5,600億円(前年度比2,188億円増、64.1%増)、税引前利益は6,030億円(前年度比2,182億円増、56.7%増)、当期利益は4,610億円(前年度比1,722 億円増、59.7%増)、純利益は4,340億円(前年度比1,701 億円増、64.5%増)と見込んでいます。
このように非常に好調なデンソーですが過去の決算も見ておきましょう。
単位:百万円
年月 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | 1株益 | 1株配 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2019.03 | 5,362,772 | 316,196 | 356,031 | 254,524 | 326.5 | 140 | |
2020.03 | 5,153,476 | 61,078 | 89,631 | 68,099 | 87.9 | 140 | |
2021.03 | 4,936,725 | 155,107 | 193,753 | 125,055 | 161.4. | 140 | |
2022.03 | 5,515,512 | 341,179 | 384,808 | 263,901 | 568.6 | 180 | |
予 2023.03 | 6,350,000 | 560,000 | 603,000 | 434,000 | 568.6 | 180 |
いかがでしょうか?かなり安定していることがわかりますね。今後も、安定した業績が期待できるでしょう。
5. 財務分析
株式投資や企業研究を行う上で財務分析は非常に重要です。
いくら成長が期待できる企業でも財務基盤が安定していなければ、安定的な経営はできないからです。
財務基盤は企業にとって非常に重要なものになりますのでしっかり確認するようにしましょう。
財務分析を行う方法は様々ですが、一般的には「成長性」「収益性」「安全性」の3つの側面を見るべきだといわれています。
それではデンソーの財務基盤を「成長性」「収益性」「安全性」から見てみましょう。
① 成長性
成長性は一般的には増収率 (売上がどれくらいのびているかを示す指標)で判断されます。
年20%以上の増収率を達成していればかなり優秀であるといわれています。
デンソーの2022年度の売上高は5兆5515億円に対し2023年度の予想売上高は6兆3500億円と増収です。大幅な増収になります。デンソーは高いレベルで安定した業績を上げていますので今後も期待できます。
② 収益性
最終利益は2022年度が2639億円、2023年度は4340億円の黒字です。大幅な増益になります。
③ 安全性
安全性は自己資本比率が高いと良いとされています。安全性が高いとされている目安は33%です。デンソーの自己資本比率は、57.8%です。安全性もまったく問題ありません。
6. トピック:原材料高、半導体不足に不安の声 トヨタ系8社前期決算
トヨタ自動車系の主要8社が4月28日発表した2022年3月期の連結決算は、デンソーなど6社が前の期と比べ最終増益を確保。アイシン、豊田通商は最高益を更新しました。
新型コロナウイルス禍からの自動車生産の回復が利益を押し上げました。ただし先行きは不透明です。オンラインで記者会見した各社トップからは、原材料価格の高騰や半導体など部品の供給不足の長期化などを懸念する声が相次ぎました。
最終減益だった豊田合成と愛知製鋼の2社は原材料高が利益を下押ししました。豊田合成は
エアバッグクッションのナイロンなどの高騰や物流費の上昇、米国の人件費の増加の影響
を受けました。同社の小山享社長は「全社をあげた合理化努力をしたが、材料価格などの大幅な値上がりで減益となった」と述べました。
愛知製鋼は原材料の鉄スクラップの価格高騰のほか、急激な円安も痛手となりました。輸出が多い自動車産業にとって円安は本来追い風ですが、同社は特殊鋼を造る際の金属といった輸入材料の方が多いです。藤岡高広社長は「円安も含めた材料価格変動の影響が非常に大きい」と肩を落としました。
今期は材料価格の上昇分を顧客に転嫁できるかどうかが焦点になりそうです。ジェイテク
トの佐藤和弘社長は「顧客に実情を真拳に説明し、(価格転嫁に)応えていただけるように
アプローチしている」と述べました。
長引く半導体不足も各社の業績の足を引っ張ります。前期は車メーカーの急な計画比の減産
が相次いだため、デンソーの有馬浩二社長は「これまでになく変動対応力が求められた」と
振り返っていました。「経営の舵(かじ)取りが試されている。 危機対応力を強化し、どんな変化にも揺らぐことがないようにしていく」と力を込めました。
アイシンの吉田守孝社長は半導体をめぐり「ここ1、2年は需給の逼迫が続き、なんらかの(部品の)売り上げに影響する可能性がある」と警戒します。半導体メーカーと供給確保の交渉に力を入れるほか、自社で汎用性が高く、より調達しやすい部品に代替する取り組みも進める方針です。
各社の今期の業績予想の前提となる大きな要因の一つが、主要顧客であるトヨタの生産台数の見通しです。ただし各社ともトヨタの内示の台数にこだわらず、自社で慎重な見通しを立てている傾向が強いです。
トヨタは4〜5月にかけて計画比で生産台数を減らしています。このため豊田合成の小山社長は「減産があった4月を踏まえ、(生産台数は)保守的にみている」 と話しました。
前期の「トヨタ・レクサス」 ブランドの世界生産台数は前の期比で5%増の856万台にとどまりました。
半面、トヨタは前期の期初には930万台の見通しを立てていました。こうした経緯もあるためか、豊田通商の岩本秀之代表取締役は「前年に比べて10%プラスとみている」とも話しました。
原材料費の上昇、部品の供給不足、さらにトヨタの本格的な増産時期など、先行きが読めない要因が山積します。
あるサプライヤー幹部は「今期は特に業績予想を立てるのに苦労した。予想通りにいくかは全く読めない」と話しました。こうした中、いかに不透明要因に機動的に対応できるかが23年3月期の業績を左右しそうです。
7. 今後の業績
デンソーの株価は皆さんご存知の通り、業績に引っ張られ非常に好調です。デンソーはトヨタ系の部品会社であり、トヨタの業績が好調である今、デンソーも大きな伸びが期待できます。
今後大きくトヨタが崩れる事は考えづらいので株価が上昇している今、高値と思わず購入をおすすめします。
8. まとめ
今回は、世界一の自動車部品メーカーのデンソーについて説明をしました。デンソーの業績は非常に安定しており今後もさらなる進捗が期待できます。
ぜひ今回の記事を参考にしていただきデンソーへの投資を検討してみてはいかがでしょうか。